チャノキ 一般には緑茶をつくるために畑で栽培しますが、萌芽・復元性があり、光沢のある葉が密生することから、造園では根締めや縁取り、背の低い生垣などに用います。秋風が爽やかな頃になると香りのある白い花を下向きにたくさんつけ、花木としても趣があります。
チャボヒバ ヒノキの園芸品種で、自然樹形は狭円錐形になります。枝葉はよく密生し、上下に階段状になり、葉はヒノキより短く濃い緑色です。生長が遅いため、庭園や建物周りの植栽、生垣などに向きます。日本庭園で段づくりやろうそくづくりなどの仕立物に用いられることもあります。名前の由来は葉の形、または背が低いことを矮鶏(ちゃぼ)に例えたとされます。盆栽としても人気があります。
チャメロップス ヤシの仲間ですが、あまり樹高は高くならず1.5〜3mほどです。地際から多数の葉が茂り、こんもりとした樹形になります。ヨーロッパでは唯一のヤシと言われ、現地では葉を工芸品などに利用します。日本では庭園や公園に植えられ、対潮性が強いことから海辺近くの緑化にも用いられます。また、鉢植えの観葉植物としても人気があります。
チャンチンモドキ センダン科のチャンチンに葉の形が似ていることから名前がついたといわれています。日本では福岡県、熊本県、鹿児島県に自生が確認されている落葉高木で、植物園などで植栽されている姿を見ることがあります。11月ごろに実が黄色から橙色に熟し、自生するネパールなどでは、漬物にして料理の付け合わせなどで食べており、酸味とほのかな甘みが特徴です。種子は非常に硬く、ボタンや根付などに加工して利用します。
チョコレートコスモス 花のチョコレートに似た香りと暗赤色のシックな色が魅力です。花弁はビロードのような光沢があり、夏の花壇を美しく飾ります。花型は名前のようにコスモスに似ていますが、花梗が長く独特な姿です。メキシコ原産ですが、現地では野生種は絶滅したといわれる貴重な品種です。種子をつけないことから、現在は挿し芽や株分けで増殖しています。
ツクバネガシ 葉が枝先に集まって輪状についた姿が、衝羽根(つくばね:羽根つきに使う羽根)に似ていることから名前がついたといわれています。暖地の山地の沢沿いの急斜面などに自生し、ドングリは翌年の秋に成熟します。屋敷林などで見ることはありますが、公園や緑地など造園的に使うことはあまりありません。材は堅く木目が美しいので、床柱や器具材、また、シイタケのほだ木などに使います。
ツゲ 関東以西に自生する常緑低木です。ツゲの由来の一つに、「つぎつぎに葉がつくさま」を表したとあるように、葉が層をなしてよくつきます。そのため、庭木としてもよく用いられます。また、材が黄色みをおびて美しく、緻密で堅く狂いが少ないため、細工物などに広く使われてきました。将棋の駒や印鑑、楽器、また高級な櫛の材料としても知られます。日本での利用の歴史も古く、『万葉集』や『新古今集』にもその名が見られます。同属でヨーロッパ原産のセイヨウツゲも、その材を彫刻や細工物に用います。ちなみに、モチノキ科にイヌツゲという別種の植物があり、ツゲに似ているため庭木や盆栽などで「ツゲ」の名で流通することがあります。
ツノハシバミ 雌花の小苞が筒状に伸びて堅果を包み込み、くちばしのように細くなって『角(つの)』を思わせる形となることから名前がつきました。ヘーゼルナッツの仲間で、実(堅果)は、1~1.5cmほどで、炒って食べられます。名前のもととなった実を除くと魅力の少ない樹木で、造園的にはほとんど利用しません。