キソケイ 花の香りのよい種類が多いジャスミンの仲間ですが、香りはほとんどなく、鮮やかな黄色い小さな花が樹冠を被うように花開いた姿が魅力です。ヒマラヤ原産の常緑低木で、花は春に咲き、鮮やかな常緑の葉とのコントラストが明るい春の日差しを受けてより際立ちます。樹高は人の背丈程度で、視線に合った高さに花がつくので、観賞価値の高い花木です。
キチジョウソウ 濃緑色の細長い葉を地際から叢生し、茎が地表を短く這って伸び地面を被います。古くから日本庭園の下草や景石の根締め、滝口や流れ沿い、公園・緑地などの狭い空間から大面積まで、野性味のある地被植物として利用してきました。晩秋には淡紫色の小花を密につけた花穂や赤い実が同時に楽しめ、華やかさはありませんが野生らしい趣があります。
キハダ 樹皮の内皮が鮮やかな黄色をしていることから、黄色い樹肌(きはだ)の意味で名づけられました。有名な薬木の一つで、漢方では黄檗(おうばく)と呼ばれ、健胃整腸薬などに用いるほか、黄色の染料として、材は堅く美しいので家具や工芸品、建築材として利用します。葉は秋に美しく黄葉し、実は野鳥の食餌として知られています。
キバナカタクリ‘パゴダ’ 北米に自生する黄花カタクリの交雑種で、日本のカタクリとは異なった鮮やかな濃黄色の花がよく目立ち、早春の彩りとして人気があります。開花期間は短めですが、ロックガーデンやガーデニングの花苗の一つとして、また山野草として鉢植えで利用します。株が充実すると一本の花茎に二個の花をつける特徴があります。
キレンゲショウマ 紀伊半島や四国・九州などの山地の林内などにまれに生える落葉の宿根草です。一属一種の珍し植物で、日本人が初めて学名を発表したことでも知られています。茎の上部の葉腋から花茎を伸ばし、うつむきかげんの黄色の美しい花を3個ずつ咲かせる姿が上品で趣があります。環境省をはじめ、各地の自生地では絶滅危惧種に指定して保護していることから植栽することはあまりありませんが、シェードガーデン、茶花、鉢植えなどに利用します。
キンウラハグサ 山地の水が滴るような崖地などに自生するウラハグサの斑入品種です。黄色の細長い葉に緑の筋が入り、ゆるく垂れた姿が美しく魅力的です。一般には庭園の滝口や池、流れ沿いなどの湿り気の多い場所に用いられますが、美しい斑入葉を愛でて花壇の修景や園路などの縁取りに、また、低い石積みや擁壁などの上部に列植しても効果的です。
キンカン 冬に熟す丸いかわいい果実は酸味が強いですが、柑橘類の中では栄養価が最も高いといわれ、生食のほか甘露煮、砂糖漬け、マーマレードなどに加工されて広く利用されています。花は香りがよく、7月ごろから3回ほど開花しますが、2回目以降の花の実は、大きくならないので摘果し、最初の実を育てるようにします。
キンシバイ 晩春に黄色いかわいい花をたくさんつける花木として知られ、公園・緑地をはじめ、一般家庭の庭などでもよく植えられます。カップ状の5弁花はやや小さめですが枝先につき、ゆるく垂れた姿は観賞価値が高く、滝や流れの護岸、法面や傾斜地など地盤差のある場所での利用に向いています。あまり大きくならないので管理も比較的楽です。
キンモクセイ 秋の訪れを知らせてくれる代表的な花木の一つで、強く甘い香りが一番の特徴です。9月中旬ごろから10月に開花し、2~3回に分けて花をつけますが見かけ上、通して咲いているように見えます。花はオレンジ色で、一つの蕾から5~10花ほどの小花をつけます。江戸時代に中国より渡来し雄木のみ知られています。庭園や公園などの生垣や目隠しなどに利用します。