
「」から始まる植物


ノリウツギ
日本全国の山地に広く分布し、尾根筋やガレ場、伐採跡地などによく見られ、名前は枝の内皮の粘液を和紙を漉くときの糊料にすることから名づけられました。アジサイの仲間では珍しく幹立ちで、樹高は3~5mほどになります。花穂は円錐形(ピラミッド型)のガク咲きで、7~9月ごろに咲くやや遅咲きの種類で、耐寒性が強いことから欧米では寒冷地向けのアジサイとして人気が高く、多くの品種が作出されています。幹をステッキに、根をパイプ「さびた(ノリウツギの別名)のパイプ」に利用します。
ノリウツギ ‘ライムライト’
ノリウツギの園芸品種で、基本種の花穂は円錐形(ピラミッド型)ですが、本種は手毬咲きのため丸みのある円錐形で、半球形になる場合もあります。花は7~9月とやや遅咲きで、花弁のように見えるのは萼で、咲き始めは緑色で満開になると白くなり終わりかけは赤みを帯びてピンク色となり長く楽しめます。耐寒性が強いことから欧米では寒冷地向けのアジサイの品種として人気があります。
パイナップルミント
パイナップルとリンゴを合わせたような甘く爽やかな香りが特徴です。ソースやビネガー、デザートやお菓子などの香りづけや葉の砂糖漬けなどに用いますが、葉の縁に淡黄色の斑が不規則に入り観賞価値が高く、地被植物としても使います。
ハイノキ
4~5月に小さな白花を咲かせ、10月~11月ごろに黒紫に実が熟します。花は控えめで繊細な感じを受けます。葉は小さく密にならないので涼しげな印象。もとは暖かい地域の山地に植生していた種で、温暖な環境で花をよく咲かせます。この木を燃やして得られた灰を染色の媒染剤として用いていました。また、材は細工物や器具材になりました。
ハクサンボク
伊豆半島以西の本州や九州などの暖かい沿海部に自生するやや大型の常緑低木です。大きめの光沢のある葉が年間を通して楽しめるほか、春の白い小花がたくさん集まった花穂や、秋に鮮赤色に熟す実とマッチして彩りを深めます。枝の分岐が多く葉も密につくので緑のボリュームが豊かで、庭園のアクセントとして効果的で、花壇の彩りとしてガーデニングや庭園や建物周りの外構植栽などにも用います。黄色の斑が美しい斑入品種もよく知られています。
バクチノキ
関東以南、とくに九州を中心に自生する常緑高木です。葉は長さ10〜20cmの長楕円形で、縁に鋸歯があります。名前の由来は、樹皮が落ちて木肌が現れる様子を、博打に負けて裸になることに例えたものです。葉には薬用成分が含まれ、蒸留したものを「バクチ水」と呼び、風邪薬や咳止めとしてかつては用いました。材は重く硬さもあり、家具などに利用されます。大木になり、各地に天然記念物に指定された名木があります。
ハクチョウゲ
名前は春から初夏にかけて丁字咲きの白い小花が株を被うように咲く姿から名づけられました。全体に小形で、花も葉も小さく、細い枝が地際から多数分岐して株立ち状となるので、庭園や建物周りなどの縁取りや低い生垣用の樹木として古くから利用されてきました。花の蜜が多いことから、開花期にはモンシロチョウなどが群れ飛ぶ姿を楽しむことができます。
ハクモクレン
紫色の花をつけるシモクレン(紫木蓮 モクレン)に対し、白い花をつけることからハクモクレン(白木蓮)の名前があります。葉に先立って白い大きな花を樹冠いっぱいにつけた姿が見所です。桜よりやや早く開花し良く目立ちますが、遅霜など寒さで花が傷みやすいので、寒冷地などでは植栽場所に注意が必要です。シモクレンなどとの間で品種改良がおこなわれ、ニシキモクレンなど多くの園芸品種が作られています。