ビナンカズラ(サネカズラ) かつて樹皮から採取した粘液を整髪に用いたことから、『美男葛(びなんかずら)』の別名で知られた常緑の蔓性樹木です。花は夏に咲き、実は11月ごろに熟します。真っ赤に熟した実は鹿の子餅を思わせ、実(さね)が良く目立つ蔓(かずら)という意味で名づけられたといわれています。雌雄異株なので、実を楽しむには雌木を植える必要があります。フェンスや垣根、パーゴラやトレリスなどに絡ませて、美しい実を楽しみます。
ヒノキ 一般には、材を生産する林木としての利用が多く、樹高30mくらいになる常緑針葉樹です。材は緻密で耐久性に優れ、特有の香りと光沢があることなどから、高級な材木として有名です。造園では枝葉が密につくことから、景観樹として公園や庭園などに利用します。
ヒペリカム カリシナム 5~6月ごろに、黄色の花を咲かせる常緑低木です。花の中心には金色の花火を思わせる雄しべがあります。花の数はあまり多くありませんが、茎の先に一個ずつつく花は大きく目立ちます。欧米でも人気のある樹種で、広くグラウンドカバーに用いられます。花つきは悪くなりますが、植え込みの下草としても利用できます。
ヒペリカム‘ヒデコート’ 初夏から秋のはじまりまで、鮮やかな黄色の花を次々に咲かせる常緑低木です。長い期間花を楽しめるので、大面積への利用や、園路沿いなどによく植えられています。東北以北の寒い地方では、地上部が冬に枯れることがありますが、宿根性になり翌年も花を咲かせます。
ヒマラヤザクラ ネパールから中国西南部などの標高1300~2200mの丘陵地に生えるサクラで、寒さに弱いので東京以西の暖地向きです。花は一重の中輪で、直径3cmほどで、晩秋に葉が散る前頃から咲き始める珍しいサクラで、やや華やかさに欠けますが人目を引きます。種子繁殖のため花の色には白から濃紅まで個体差があります。近年の研究結果で、二酸化炭素や二酸化窒素を減らす効果がソメイヨシノの5倍もあるとして、注目を集めています。 (参考資料:新日本の桜 山と渓谷社)
ヒマラヤスギ 手を入れなくてもきれいに整った広円錐形の樹形になり、枝は水平か下垂するので、公園や緑地などの芝生広場のシンボルツリーなど広い空間での利用に向いていますが、萌芽・復元性があり、刈り込みもできるので、高生垣やいろいろな仕立物などにも利用できます。黄金色や銀青色と葉色の美しい品種もあり、記念樹としても利用できます。
ヒメシャガ アヤメの仲間で最も小型の種類の一つで、シャガの花に似た淡紫色の花をつけ、小形で可愛いことから姫の名前がつきました。冷涼な湿った傾斜地などの半日陰に自生することから、夏の高温乾燥する都会での利用は短命に終わることが多いので注意が必要です。ロックガーデンや庭園の滝口や流れ沿いの石組みの間、水際などでの利用に向いています。
ヒメシャラ 葉や枝ぶりなど樹姿全体に和の趣が感じられる木で、若葉のなかに咲かせる白い花も美しく秋には紅葉します。葉と花はナツツバキよりも少し小さめですが、樹高は高めに生長します。幹が赤褐色で、表皮が剥がれた跡がサルスベリの木のようなまだら模様になっています。木材としては床柱や彫刻に用いられ、花は茶花として重宝されています。
ヒメシャリンバイ 庭木として人気があり、5〜6月、枝先に白い花をつけます。シャリンバイ(車輪梅)という名前は、枝が車輪状に出て、花が梅に似ているということによります。ヒメシャリンバイの「ヒメ」は、普通のシャリンバイより葉が小形であることを指します。生長はやや遅く、強健で、環境圧にも強いのが特長です。生垣などにもよく利用されます。
ヒメヒオウギズイセン 初夏から夏にかけて、朱赤色の花を花穂に次から次へとつけて長く楽しめます。明治の中期ごろ渡来し、花壇植物として利用されてきましたが、地下茎を長く伸ばして球根(球茎)をつくり、丈夫でよく増えるので逸出して雑草化することがあります。暖地では常緑ですが、強い降霜では葉が傷み、落葉扱いとなります。モントブレチアの名前でよく知られています。