ハンカチノキ 19世紀の後半に中国の四川省で発見された「植物界のパンダ」と例えられる落葉性の珍しい花木です。花は丸い頭状花で大小2枚の苞に包まれるように垂れ下がり、独特の臭いを漂わせます。樹は大きく育ち、満開時にはたくさんの白いハンカチが垂れ下がっているように見えるので、非常に印象的で観賞価値の高い樹木です。名前は大小2枚の苞をハンカチに例えたものです。ガーデニングやシンボルツリーとして人気があります。
ハンノキ かつては、湿田の畔に植えて、刈り取った稲を干すための稲架木(はさぎ)に利用しました。水湿地を好むことから水辺や地下水位の高い場所の緑化に利用することが多く、最近は放棄水田に群生する姿を見ることがあります。花は早春に葉が芽吹く前に細長い雄花穂が垂れ下がって開花し、秋に熟す果穂はタンニンを多く含むので染料として用います。
パンパスグラス 2〜3mと大きく成長する宿根草です。葉は細く、密生して伸びます。秋になると、垂直に伸びた茎に長い花穂をつけ、独特の存在感を発揮します。パンパスグラスの名前の由来は南米大陸の草原であるパンパ(パンパス)に由来し、日本では公園や花壇の植栽に用いられます。その姿からフォーカル・ポイントに向きます。花穂がピンク色のものや、葉に斑が入ったもの、また、矮性種なども見られます。
ヒイラギ 雌雄異株の常緑広葉樹です。葉は光沢のある濃緑色で、先端がトゲ状になります。このトゲは老木になるとだんだんなくなってきます。秋に芳香のある白い花を咲かせます。古来より邪気を払う縁起木として知られ、『古事記』にも記されています。節分の日にはヒイラギの枝にイワシの頭をさしたものを飾ります。
ヒイラギナンテン 台湾や中国が原産地の常緑低木です。葉は複葉で枝先にまとまってつき、ヒイラギに似て鋭い刺があります。鋭い刺のある葉を利用して人止めに、また、寄せ植えなどにも利用します。花は春に咲き、細長い花穂を枝先から吊り下げます。
ヒイラギモクセイ ギンモクセイとヒイラギの間に生まれた交雑種と言われています。花はキンモクセイの色を白くしたように見えます。香りは同じですがやや弱く、花つきはまばらです。葉の鋸歯が粗く、鋭いことが特徴です。雄木のみ知られていて、一般には生垣や目隠しなどに利用します。
ヒサカキ 本サカキとも呼ばれるサカキに比べ、花や葉が小さいことから姫サカキの意味から名前がついたといわれています。関東以西の暖地に多いサカキに代わって、関東ではヒサカキの枝葉を神事に使います。花は春に開き、ハマヒサカキ同様特有のにおいを発します。
ヒゼンマユミ 九州や沖縄などの沿海地の常緑広葉樹林の林内に生え、ニシキギの仲間では珍しく、マサキなどと共に数少ない常緑の樹木です。葉は厚く濃緑色で光沢があり、存在感があります。晩秋にマユミに似た淡い黄褐色の実をつけ、熟すと割れて橙色の仮種皮に覆われた種子が顔を出します。
ヒトツバカエデ 本州北部から紀伊半島の山地に自生するカエデの仲間です。直立した幹は5〜10mほどになり、カエデの仲間とは思えない丸く大きな葉をつけます。5〜6月に穂状の小さな花をつけ、8〜10月ごろに翼果が熟します。秋には黄葉がよく目立ちます。
ヒトツバタゴ 5~6月に細い白色の花弁の小花が樹冠を覆うように密についた姿が一番の魅力で、繊細な美しさがあります。名前は同じモクセイ科のトネリコに似ていて葉が単葉なので、一ッ葉のトネリコという意味ですが、珍しい樹で見る機会が少ないので名前がわからないことから、ナンジャモンジャノキとも呼ばれます。