ゴバンノアシ ※植栽可能域は沖縄・小笠原です。 熱帯から亜熱帯の海岸に生える常緑高木です。実が四角または五角形で、碁盤の脚の形によく似ていることからこの名前がつきました。実は堅く腐りにくいことから、海に落ちて海流に乗って運ばれ、日本の西南部の海岸に打ち寄せられることでもよく知られています。
コヒガンザクラ 名前は正式にはコヒガンザクラですが、春の彼岸のごろに花開くことからヒガンザクラと呼ばれることもあります。エドヒガンとマメザクラとの間に生まれた種類と推定されており、花は小輪の淡紅色で花つきがよく、樹形が小型なので身近で花を楽しめる、利用しやすい種類です。
コブシ 3~4月ごろに葉に先立って白い、ほのかに香る花を咲かせます。成木になると花つきがよく、樹冠一杯に花をつけた姿は春の雑木林などで良く目立ち、北国などでは田仕事を始める目安とすることから、『田打ち桜』とも呼ばれます。秋には名前の由来となった握りこぶしのような実をつけます。端正な樹形となることからシンボルツリーや公園・緑地などの彩りとして用います。
ゴマキ 日本固有種で、山地や丘陵の谷間、川沿いの低地などに自生します。幹は高さ3〜7mほどになります。4〜5月ごろ白色の花を密につけ、8〜9月に実が熟してくると、紅熟したのち黒色となります。ゴマキの由来は、枝や樹皮、葉を傷つけるとゴマのような香りがすることによります。
コムラサキ 6~7月ごろに紫色の小さな花を咲かせ、秋に紫の実をたわわに枝につけ、歌人の紫式部を想起させます。コムラサキはムラサキシキブほど背が高くならず、葉が細めで、枝も紫色がかっているのが特徴です。近年ではコムラサキの方が庭木としてよく植えられ、園芸的にこの2種は同じものと扱われることもあります。
コモンセージ 薬用サルビアの別名があるように、古来、のどの炎症や胃腸炎などの薬として広く利用されてきましたが、強い芳香と苦みや渋みがあることから、最近は香辛料として、魚や肉料理、ソーセージなどの加工品の香りづけに、また、香料やポプリ、クラフトなどに使います。利用にあたっては開花が始まるころに、葉または茎の上部から切り取って収穫します。
コモンタイム 一般にタイムと呼ばれ、最もよく知られたハーブの一つです。枝葉にチモールなどの精油成分を含むので強い芳香があり人気があります。ソーセージや肉料理、魚介類の臭み消し、オイルやビネガーなどの香りづけ、ティーやポプリ、殺菌や消化促進などの薬用などに広く利用します。一見、草のように見えますが矮性の常緑樹で、タチジャコウソウとも呼ばれます。
コロラドビャクシン ‘スカイロケット’ 北米西部原産の常緑針葉樹で、コニファーの中では最も細長いロケット形の樹形と、銀青色の葉色が魅力です。独特の樹形を愛でてガーデニングや花壇等のポイントツリーとして多く用いますが、刈り込んで生垣としても利用します。梨等につく赤星病の中間宿主として知られており、梨の栽培地では条例等で植栽を禁止している地域がありますので注意が必要です。
ゴンズイ 山野に自生する落葉樹です。枝は紫黒色で、初夏、枝先に円錐花序をつけ、淡い黄緑色の花が集まって咲きます。実は秋に赤く熟し、時間が経つと裂けます。実の内側は鮮やかな紅色で、黒い種子も露出します。ゴンズイという名前の由来には諸説ありますが、同じく役に立たないとされる魚のゴンズイから取られたという説もあります。ただ、若芽は救荒食として、茹でて塩を加えて食べられました。材には独特のにおいがあるため、薪材などにしか用いられませんでした。
ザイフリボク 名前は、総状に密生する花を、武将が戦陣を指揮するときに使う「采配」に見立て「采振り木」となったと言われます。花は、春に樹冠の外側を覆うように咲き、その見事さから桜に例えられ、シデザクラや二レザクラなどの別名があります。日本では東北地方の限られた地域と、中国、四国、九州地方に分布していますが、自生地での個体数は少なくなっています。近年では近縁種のアメリカザイフリボク(ジューンベリー)が人気ですが、ザイフリボクも庭園や公園に植えられています。