
「」から始まる植物


クワ
5~6月ごろに熟す黒紫色の甘い実が魅力で、生食のほかジャムやジュース、果実酒などに利用します。本来は葉を蚕の餌として栽培してきましたが、養蚕業の衰退とともに見かけなくなりました。近年は実を楽しむためにマルベリーの名前で、果実の大きな品種を家庭果樹として利用しています。薬用植物としても知られ、葉はお茶にも利用します。
ゲッケイジュ
雌雄異株で、雌木にはオリーブのような黒紫色の実がつきますが、日本では雄木が多いのであまり見ることはできません。緑葉の基本種のほかに、斑入や芽出しから新葉が黄色の品種(‘オーレア’)が流通しています。ハーブとして有名で、乾燥させた葉をシチューやカレー、肉料理などの香りづけに利用します。
ケヤキ
本州、四国、九州の山野や山裾などの肥沃な場所に生え、日本で最も大きくなる樹の一つとして知られ、高さは30mに達する場合もあることから、『ケヤケキ木(顕著な木)』の意味で名づけられたのではないかといわれています。幹は直立し、箒を逆さにしたような姿が特徴で、新緑と紅葉が繊細で美しく、街路樹や公園の緑陰樹、景観樹、シンボルツリーなどによく利用します。材は耐久性に優れ、狂いが少なく、木目も美しいことから、日本で最良の広葉樹材として知られています。
ケンポナシ
山野に自生する落葉高木で、高さは15mほどになります。初夏に深緑色の花をつけ、その後に実が熟します。実が熟すと同時に、果柄がふくらみ、ナシのように甘くなります。ハクビシンやタヌキなどにも好んで食され、種子の分布範囲を広げます。果柄部を乾燥させたものを煎じて飲むと二日酔いに効くといわれます。材は床材、お盆、文房具などに用いられました。
ゴールデンセージ
セージ(ヤクヨウサルビア)の園芸種で、葉に黄色の斑が入る美しい品種で、花壇の花苗としても利用できます。利用は基本種のセージ同様で、香辛料として料理に使うほか、薬用、香料、ポプリ、クラフトなどに利用します。利用にあたっては開花が始まるころに、葉または茎の上部から切り取って収穫します。
コウヤボウキ
キク科では珍しい樹木性の植物で、樹高は1m程度になります。名前は昔、高野山では竹を植えることが禁じられていたことから、この枝を使ってほうきをつくったことから名づけられました。また、京都の伏見では、酒桶の濁りの泡をふきとるのに使います。花は秋に咲き、細く小さな筒状花が10数個集まった頭花を枝先につけます。
コウヤマキ
高さ30〜40mになる高木で、端正な樹形は世界三大美木にも数えられています。少し幅の広い葉は一年を通してあまり変化せず、美しい姿を保ちます。庭園やガーデニングの主木として人気があり、樹齢が長いことから記念樹などにも向いています。材は緻密で耐久性があり、建築などに用いられます。古墳から出土される木棺にも用いられており、古くから日本人に親しまれてきました。高野山では霊木として保護されてきました。
コクチナシ
クチナシの変種で、古くから知られた常緑の矮性低木です。枝が低く地面を這うように広がるのでグラウンドカバープランツとしてよく知られ、和風庭園の根締めや屋上庭園の寄せ植え、花壇や園路の縁取りなどに用います。半日陰でも比較的よく花をつけます。一重咲きと八重咲きがあり、初夏に甘く爽やかな香りを漂わせます。