ヌスビトハギ 花は小さくあまり目立ちませんが、名前のいわれのもととなった実(節果)の形が独特です。盗人が室内に侵入したときに、足音がたたないように足の裏の外側で忍び足で歩いた足跡の形に見立てたといわれています。実の表面にはかぎ状の毛が密生していて、これで動物の体や人の衣服などについて運ばれて、種子を散布します。
ヌルデ 日本ではほぼ全域に見られる落葉小高木。明るい丘陵地などに自生します。古来から人々の暮らしに密接に関連しており、とくに葉にヌルデシロアブラムシの仲間が寄生する「五倍子(ふし)」がタンニンの原料になり、薬用、染料、インク原料、お歯黒などに用いられてきました。生薬名は「五倍子(ごばいし)」で、口内の腫れ物や歯痛、切り傷に、また、煎じた汁は下痢や咳止めに効くとされました。材は軽く柔らかく、箱類や小細工、下駄などに用いられました。
ネコヤナギ まだ寒さの残る2月半ばのころ、冬枯れの河川敷などでふわふわの暖かい外套をまとった蕾が赤い帽子を脱ぎ捨てた姿に、春がそこまでやってきていることを感じます。枝は地際から叢生し高さ2m程度の横広がりの樹形となり、河川の護岸の保護や水辺の生態系の保全用の植栽材料として良く利用します。
ネズミモチ 常緑で光沢のある厚くやや細長い葉が密につき、萌芽力があり、剪定にも耐え、遮蔽効果が高いので、高さの取れる生垣用樹としてよく用いられます。生垣として刈り込むと花はほとんど咲きませんが、放任するとたくさんの白い小さな花が穂状につき目立ちます。実は秋に黒紫色に熟し、ネズミの糞に似ていて、葉がモチノキの葉に似ていることから名前がつきました。野鳥の食餌木として知られています。
ネムノキ 夏の夕方に開くピンク色の花は、糸のような繊細な花糸が集まって開き、涼しげな雰囲気を醸し出します。根に根粒菌がついていて痩せ地でも生育するので、河川敷や野原など日当たりのよい場所での利用に向いています。夕方になると葉が閉じて、あたかも眠っているように見えることから名づけられました。
ノイバラ 日本各地に自生する野生のバラです。高さは2mほどになると、盛んに枝分かれし、枝先はつる状になります。鋭く曲がったトゲも特徴です。花は初夏に咲き、花つきの良さが魅力で、芳香もあります。秋には8mmほどの果実(偽果)が赤く熟してよく目立ちます。さまざまなバラの園芸品種の品種改良に用いられ、また、バラ苗の接ぎ木の台木にもなります。乾燥した実は営実(えいじつ)と呼ばれ、利尿や便秘の漢方薬として用いられます。
ノムラモミジ 春の紅紫色の若葉と秋の紅葉が楽しめます。樹形が端正で美しく、あまり大きくならないので、使い勝手のよいカエデです。江戸時代より庭園樹としてよく利用され、詩歌の題材などにもなってきました。カラーリーフツリーとして、春の緑葉の中に紅紫色の彩りを添えることもできます。最近は紅紫色の葉色が長く楽しめるショウジョウノムラがノムラカエデの名前で使われていることがよくあります。
ノリウツギ 日本全国の山地に広く分布し、尾根筋やガレ場、伐採跡地などによく見られ、名前は枝の内皮の粘液を和紙を漉くときの糊料にすることから名づけられました。アジサイの仲間では珍しく幹立ちで、樹高は3~5mほどになります。花穂は円錐形(ピラミッド型)のガク咲きで、7~9月ごろに咲くやや遅咲きの種類で、耐寒性が強いことから欧米では寒冷地向けのアジサイとして人気が高く、多くの品種が作出されています。幹をステッキに、根をパイプ「さびた(ノリウツギの別名)のパイプ」に利用します。
ノリウツギ ‘ライムライト’ ノリウツギの園芸品種で、基本種の花穂は円錐形(ピラミッド型)ですが、本種は手毬咲きのため丸みのある円錐形で、半球形になる場合もあります。花は7~9月とやや遅咲きで、花弁のように見えるのは萼で、咲き始めは緑色で満開になると白くなり終わりかけは赤みを帯びてピンク色となり長く楽しめます。耐寒性が強いことから欧米では寒冷地向けのアジサイの品種として人気があります。
パイナップルミント パイナップルとリンゴを合わせたような甘く爽やかな香りが特徴です。ソースやビネガー、デザートやお菓子などの香りづけや葉の砂糖漬けなどに用いますが、葉の縁に淡黄色の斑が不規則に入り観賞価値が高く、地被植物としても使います。