マルハチ ※植栽可能域は沖縄・小笠原です。 幹の高さが10mを超える木性のシダで、葉柄の落ちたあとが丸に逆の八の字のような模様となることから名前があります。小笠原の固有種で、父島から南硫黄島にかけて自生します。疎林内や林縁に生え、樹冠に日の当たるような場所にも生えます。
マルバノキ マルバノキの名の通り、まるいハート形の葉が特徴。ベニマンサクの別名も知られているように、マンサク科の落葉低木です。中部地方以西の限られた地域に自生する日本固有の珍しい樹木です。秋にマンサクに似た赤い花をつけますが、同時期に真っ赤に色づく紅葉が非常に美しく、一番の魅力です。‘恵那錦’など、斑入り葉の品種も人気があります。
マルメロ 中央アジア原産の果樹で、カリン同様香りのよい黄色い果実が楽しめます。果実はカリンに似ていますがやや小さい洋ナシ形で、淡褐色の綿毛をまとっているので区別は容易で、ジャムや果実酒などに利用します。生食には向きません。樹形も小形で、花は白から淡紅色で、カリンに比べて大きく美しいので庭木にも向いています。中国を経て寛永11年(1634年)に渡来したと言われ、日本では長野県諏訪地方が産地として知られています。
マロニエ 高さ20〜30mほどになる落葉高木。初夏、枝先に10〜15cmほどの円錐花序を多数つけ、蜜源になります。原産地はバルカン半島の狭い地域ですが、1500年代にヨーロッパに渡来すると、薬用目的で広く植えられるようになりました。その後は、街路樹や公園樹として多く用いられるようになり、パリのシャンゼリゼ通りの並木はよく知られています。世界の温帯でも広く植えられ、日本では小石川植物園や新宿御苑のものが知られます。
マンサク 名前はまず咲く(一番最初に咲く)の意味からともいわれ、雑木植栽などに混植し、冬枯れの中に花咲く、春一番の野性味のある姿を観賞します。花は小さく華やかさに欠けますが、身近で見ると4本の細長い黄色の花弁がよじれるように開き、まるで細工物を見るようで自然の造形美に感動します。
マンリョウ 晩秋から冬の間、6〜8mmの赤い実を長く保つのが一番の特徴です。名前の万両(まんりょう)は、千両(センリョウ科)より実が美しいからついたとされます。実は野鳥の餌になります。夏には枝先に白い小花をつけ、葉は光沢が濃緑色です。縁起木として、正月の飾りなどに用いられ、江戸時代には園芸植物として流行しました。明治時代の『硃砂根銘鑑』には53品種が掲載されています。また、白い実をつけるシロミノマンリョウ(Ardisia crenata Sims f. leucocarpa)もあります。
ミズキ 丘陵から山地にかけての雑木林などのやや湿った林内に多く見られる落葉樹で、枝は仮軸分岐で横に広がって伸び、独特な姿で美しく、外国ではパラソルツリーと呼ばれ、緑陰樹として使います。花は5~6月ごろで、細く白い4弁の花を密につけ、平たい花穂となり、遠くからでもよく目立ちます。実は紫黒色に熟し、鳥に食べられて分布を広げる代表的な鳥散布植物の一つです。材は白く美しいのでこけしやこまの材料となり、枝は小正月のどんど焼きの時に団子を刺して焼くのに使います。名前は早春に幹に傷をつけると、樹液が水のように流れ出るようすから『水木』と名づけられました。
ミズナラ 標高の高い山地帯に発達するブナ林の主要構成樹種の一つで、野性味のある樹形が魅力です。北関東以北の冷涼地や寒冷地での利用に適し、温暖地では夏の高温乾燥で生育は衰えます。葉はコナラに比べると大きく鋸歯も粗く目立ちます。秋には比較的美しく黄・紅葉します。材は木目が美しいので高級家具材として、また薪炭材としても利用します。ドングリ(堅果)は2~3cmほどの長楕円形で、その年の秋に成熟します。
ミズヒキ 花穂についている花や実を上から見ると赤色に、下から見ると白色に見えることから、お祝い事に使われる紅白の水引に例えて名づけられました。全国の低山や谷戸などのやや湿った半日陰などに普通に見られる多年草です。庭園や流れ沿いなどの利用に向いていて、花材としても利用します。
ミツデカエデ 日本固有のカエデで、栽培されることの少ないカエデです。葉柄の先に3枚の葉がついた(3出複葉)カエデとは思えない独特な葉形が特徴です。芽出しが赤味を帯びることが多く、秋には紅や黄色の混じった紅葉となります。自然では高さ20mほどになることもあります。雌雄異株です。