
「」から始まる植物


ヤマブキ
4月ごろ、細く長く伸びたしなやかな枝に、黄色く目立つ花を枝いっぱい咲かせます。「山吹色」という色名を生むほど、鮮やかな黄色花が印象深い落葉低木で、昔から庭に植えられ親しまれてきました。斜面や落葉樹の下草などに植え、刈り込まず自由に伸ばすと野趣のある花姿が楽しめます。八重咲きの品種や美しい斑の入る品種などもあります。
ヤマボウシ
白い花や赤い実、紅葉が魅力の三拍子そろった観賞価値の高い樹種で、端正な樹形も楽しめます。丘陵から山地にかけての雑木林などに多く見られる落葉樹で、花は6月ごろに緑葉の中に4枚の純白の総苞をつけ、総苞を法師が被る頭巾に見立てて名づけられました。実は10月ごろに赤く熟し、ほんのり甘く食べることもできます。また、秋の紅葉も見事です。自然風の雑木植栽などによく用いられる樹種の一つですが、公園や緑地にも使われ、個人邸の彩りとして使われ人気があります。
ヤマモミジ
山に生えるモミジという意味でこの名前を用いることがありますが、正しくは北海道や青森~島根県の主に日本海側の山地などオオモミジの分布しない地域に生えるカエデの種類で、オオモミジの変種です。イロハモミジによく似ていて美しい紅葉の代表格ですが、どちらかというと黄色に変わる個体が多いようです。寒暖の差が大きいとより美しく黄葉します。イロハモミジやオオモミジ同様、多くの園芸品種が知られています。
ヤマモモ
暖かい地方に自生する常緑高木です。名前の通り「山の桃」で、赤い果実は生で食べることができます。また、ジャムやドライフルーツ、果実酒などにしても楽しめます。果実は傷みやすく、ほとんど流通はしていません。雌雄異株で、近年では、果実の大きな‘森口’や‘瑞光’などの品種も作られています。比較的管理が容易なため、家庭用果樹として人気があります。
ヤマユリ
白い大きな花とその花の強烈といってよいほどの強い香りが魅力の大形のユリです。落葉樹林の林縁や草地、土手などに生え、花は夏に咲き、開花した花の重みでゆるく垂れた花姿が見どころです。野生以外に広く栽培されており、古くから球根をゆり根といって、茶わん蒸しやてんぷらなどにして楽しんできました。現在ゆり根は主にコオニユリの球根が利用され、ほとんど北海道で栽培・生産されています。
ユキノシタ
地面に貼りつくように広がる腎円形の葉と、5~6月ごろに花開く大の字状の白い花が特徴です。湿った岩や斜面などによく生え、ランナーを出して広がるので群生することが多く、一斉に花茎を伸ばして花をつけたようすは見ごたえがあります。群生する特性を活用して、滝や流れ、池護岸など水辺の岩組に利用することが多く、建物の北側などの湿った場所のグラウンドカバーにも向いています。
ユキヤナギ
細い枝に白い小花がたくさんつき、ゆるく垂れた美しい姿を観賞しますが、コデマリと違って花のボリュームが少ないので、清楚な雰囲気があります。反面、花つきの良さを活かして、大面積の斜面や緩傾斜面に開花期を同じくする早咲きの花木と組み合わせて利用すると、春の情景の演出に効果的です。蕾が赤い‘フジノピンキー’という品種もあります。
ユズ
中国原産ですが、平安時代の古くから調味料として用いられてきました。ポン酢や薬味、柚子湯などに用いられます。「桃栗三年柿八年、柚子は九年でもなりかねる(花が咲く)」などと言われますが、実生から育てた場合の話で、接ぎ木苗では2〜3年で実がなります。果実は重さが80〜100gあり、果汁には多くのビタミンCが含まれ、果樹として楽しめます。