シャガ 常緑性の多年草で日陰の地被として優れています。淡い紫色の花が特徴的ですが、花のない時期も光沢のある細長い葉は地際を彩ります。花は一日花ですが次々と花を咲かせます。生育は旺盛でランナーを出して増えていきます。夏の乾燥や直射光、冬の乾寒風で葉が傷むので上場所には注意が必要です。古くに中国より渡来し日本全国に広がりました。
ジャカランダ 世界三大花木の一つと言われる常緑高木。熱帯アメリカ原産で、5〜6月ごろに円錐花序の花を咲かせます。繊細な葉は、緑陰樹としても優れています。近年では、温暖化現象により植栽可能域が広がりつつあります。白花品種などもあります。
シャクナゲ 欧米でヒマラヤや中国などの野生シャクナゲを基に育成されたセイヨウシャクナゲに対し、日本に自生する野生種を基に育成された園芸シャクナゲの総称です。花はピンクや白花が多く華やかさの面ではやや劣りますが、端正な花型や花穂が美しく環境耐性があるので、野生種がうまく育たない暖地などで利用すると効果的です。
シャクヤク 中国北部原産で、日本には古く平安時代に渡来しました。初夏に15cmほどの大きく美しい花を咲かせます。さまざまな園芸品種が作出され、色や形、咲き方もさまざまです。花の美しさは、美人を例える「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」という文句に用いられたほどです。また、当初は薬用植物として栽培されており、漢方では根を乾燥させたものを他の生薬と配合して、胃痙攣、胆石痛の鎮痛剤や冷え症などの婦人病に用いました。ヨーロッパでも古来から薬草として知られ、プリニウスの『博物誌』にも記述があります。
シャシャンボ 常緑の小型の中木で、一見アセビのような樹姿で、放任するとこんもりと茂ります。秋に熟す実は黒紫色で、アントシアニンの含有量はブルーベリーよりも多く、生食もできますがやや硬く、どちらかというと果実酒向きです。小さな実が鈴なりになった姿を『小さい坊や』に例え、『小小ん坊』と呼んだものが転訛して名前になったといわれています。
ジャノヒゲ ‘タマリュウ’ ジャノヒゲの矮性品種です。植付け密度を高めにすると良好な被覆状態となり、除草などの手間がかかりません。元々、ボーダーラインや土の流出を防ぐ目的として和風の庭に使われていましたが、草陰が雑草の生長を妨げ、踏圧にも強いことからグラウンドカバーとして最近、和洋を問わずに多用されています。
シャリンバイ 暖地の海岸に自生し耐潮性や耐乾性が強く、厳しい都市環境にあっても良好に生育することから、公園・緑地や和風庭園などの刈り込みによく用います。春に白い小花がやや細長い花穂に集まって咲き、芳香があります。花がウメの花に似ていて枝が輪生し、車輪に似ていることから名前がついたといわれています。立性の本種のほか、樹高のあまり高くならない這性のマルバシャリンバイ、ピンク色の花が美しいベニバナシャリンバイ(複数の品種あり)などが知られています。
ジュウガツザクラ コヒガンザクラとほかのサクラとの交雑種と考えられているサクラで、秋の10月ごろから咲き出すことから名づけられました。花は冬の間も断続的に咲き続け、4月上旬にはかなり咲きます。中輪で直径2.5㎝程度、ほとんどの花は八重咲きですが一重や半八重の花も混じって咲きます。秋の花は色がやや薄く微淡紅色ですが、春の花は淡紅色です。 (参考資料:新日本の桜 山と渓谷社)
シュウメイギク 一見、コスモスを思わせるような花型が魅力の秋咲き高性の宿根草です。中国原産で古い時代に渡来したと考えられており、京都の貴船地方で野生化し、貴船菊の名前で知られています。貴船菊と呼ばれる種類は花弁のように見える萼片が20~30枚ほどある桃色の八重咲きの品種ですが、近年は白花や一重咲きの品種も栽培されるようになって、ガーデニングなど和洋を問わず利用範囲が広がっています。
シュロ ヤシ類の中では最も耐寒性に優れた種類で、自然分布は九州以西といわれていますが、野鳥が種子を運んで芽生えるので、関東以南の暖地の都市林などで比較的良く見られます。まっすぐ伸びた幹の先端に掌状の大きな葉が集まってつき、ヤシの仲間特有の独特な樹形となるので、建物周りやトロピカルな雰囲気の醸成などに利用します。