
「ツ」から始まる植物


ツノハシバミ
雌花の小苞が筒状に伸びて堅果を包み込み、くちばしのように細くなって『角(つの)』を思わせる形となることから名前がつきました。ヘーゼルナッツの仲間で、実(堅果)は、1~1.5cmほどで、炒って食べられます。名前のもととなった実を除くと魅力の少ない樹木で、造園的にはほとんど利用しません。
ツバキ
日本のヤブツバキなどをもとに作られた品種群で、光沢のある葉と豊富な花色や花型とのコントラストが魅力です。花の少ない冬に花を咲かせるため、古くから愛でられてきました。近年は日本ばかりでなく海外でも改良が進み、洋種ツバキとして流通しています。
ツブラジイ
スダジイが、関東以西の臨海部に多く生育するのに対し、どちらかというと内陸部の山地などに生えます。一般的にスダジイのように公共緑化や庭園などに利用することは少なく、建築材や器具材、薪炭材、シイタケのほだ木などに利用します。秋に熟すドングリは小さくて丸いので、『円らな椎』という意味で名づけられました。
ツリバナ
丘陵から山地にかけての雑木林の林縁や林内などに多く見られる落葉樹で、3~4mほどになります。一番の魅力は長く垂れた果柄の先につく実で、秋に真っ赤に熟し、5つに割れて、中から橙赤色の仮種皮に包まれた種子が顔を出します。初夏に開く赤みを帯びた緑白色の花も趣があります。
ツルアジサイ
日本全国の山地など、涼しくて空中湿度の高い谷間の沢筋などに多く見られ、長く伸びる蔓の着生根で樹木や岩などに這い上がり、そこから短い枝(短枝)を空中に伸ばし、周囲に白い装飾花が内側に両性花がつくガクアジサイ型の花をつけます。名前はアジサイの仲間で、蔓性の落葉樹木ということから名づけられたものです。同じアジサイ科のイワガラミに比べ乾燥に弱いので、厳しい都市環境での植栽は避けるようにします。
ツワブキ
輝きのある大きな丸い葉と、晩秋の鮮黄色の花が魅力の常緑の多年草です。日向でも日陰でもよく育ち、冬でも緑の葉が枯れずに茂っているので、古くから庭園の下草や岩組みの根締めなどによく用いられ、花壇で楽しむこともできます。葉に斑の入った品種や形の変化した品種などが知られており、ガーデニングでの利用も増えています。
ヤブニッケイ
シイやタブノキなどの常緑広葉樹林の構成種の一つです。クスノキの仲間で葉は光沢があり明るく丸みがありあす。クスノキのように公共緑化や庭園などに利用することはあまりありませんが、枝葉をはじめ樹皮や材にも独特なニッケイの香りがあり、種子から香油を、葉や樹皮は薬用に利用します。
ヤブラン
古くから庭園の下草や景石の根じめなどによく用いられてきた常緑の地被植物ですが、近年は公園や緑地などで大面積の利用も多くなっています。7月から10月にかけて花穂を抽出し、淡紫色の小花を密につけ、華やかさはありませんが野生らしい趣があります。
ヤマウコギ(ウコギ)
丘陵から山地にかけての雑木林の林内や原野などに生え、葉は5枚の小葉がついた掌状(手のひらの形)の複葉で、枝には鋭い刺があります。雌雄異株で雌木には夏から秋にかけて黒紫色の実が熟します。飢饉のときの救荒植物の一つとして知られ、かつては若い葉をお浸しやウコギ飯にして食べました。- 1
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