
「ク」から始まる植物


クサボケ
ボケの仲間の一つで、山野に自生する日本特産種です。春に葉より先に赤色の花を咲かせよく目立ちます。秋には2〜3cmの果実が黄色く熟します。実が酸っぱいことからシドミ(「酸ドミ」の転訛)、また、実がナシに似ていることからジナシ(「地ナシ」)という別名もあります。矮性種は盆栽の世界で「長寿梅」と呼ばれ人気があります。漢方では実を乾燥させたものを「和木瓜」と呼び、これを漬け込んだ薬酒を不眠や疲労回復に用います。
クスノキ
新葉の色が個体によって異なり、黄色から赤まで変化があり、常緑樹の中では明るくさわやかな緑陰が魅力です。新葉がでる頃に前年の葉を一斉に落とし、緑の景観の模様替えを一気に進めます。生長が速く大きく生長し、神社などでは巨樹が見られます。
クチナシ
梅雨時に甘くさわやかな芳香を漂わせる香り高い花が魅力です。半日陰でもよく花をつけます。冬の寒さで枝先が傷むと蕾が枯れて花が楽しめないので、乾寒風の直接当たらない場所を選んで植えるようにします。実は、薬や染料に使います
クヌギ
武蔵野の雑木林の主要構成樹種の一つとしてよく知られ、通直な樹形が魅力で、樹液にカブトムシやクワガタムシがやってきます。移植はやや難しいので、コンテナ栽培品を用いるとよく生育します。葉は細長く波状の鋸歯があり、落葉性ですが冬の間は落葉せず、春の萌芽時に落葉します。材はシイタケのほだ木や薪炭材としてよく利用します。ドングリ(堅果)は2cmほどの球形で、翌年の秋に成熟します。
クマシデ
本州から九州の山中に見られる落葉高木です。高さは10〜15mほどになり、葉や果穂が大きくたくましいので「クマ」シデと呼ばれます。材も堅く、家具や建築材、器具に用いられます。
クマノミズキ
丘陵から山地にかけての雑木林などのやや湿った林内に多く見られる落葉樹です。樹形はミズキと異なり枝が放射状に出て斜上し、葉はミズキが枝先に集まってつくのと異なり、対生なので見分けがつきます。花はミズキよりやや遅く梅雨空に白い花を枝先にたくさんつけ、良く目立ちます。実はミズキと同様鳥に食べられて分布を広げる代表的な鳥散布植物の一つとして知られ、夏から秋に紫黒色に熟し、実のついた果柄(果序)は実の熟すころに赤く変わり、実が熟したことを鳥に知らせます。材は良好な薪炭材です。
クリ
自然風の雑木植栽の構成種(シバグリ)として用いられることもありますが、一般的には秋の味覚としての栗の実を収穫するために栽培される樹木です。実は鋭い刺に覆われたイガに包まれており、成熟するとイガが割れて栗の実が顔を出します。地方独特の栽培品種が知られています。
クリスマスローズ(ハルザキクリスマスローズ)
ヨーロッパ原産の常緑多年草で、流通しているクリスマスローズとは、普通ハルザキクリスマスローズを指します。花の少ない冬を彩る花卉として人気があり、ガーデニングや花壇などによく使います。花は白や緑からピンクや紅、黒紫色まで多様で、最近は八重咲の品種も多く生産されています。花弁のように見える美しい部分は萼片で、花が咲き終わっても長い間枯れずに残り、観賞することが可能です。花は中心部の小さい部分です。
クルメツツジ類
江戸時代の末期に久留米藩で品種改良された小輪多花性の園芸品種群の総称です。紫、紅、桃、白の花色をベースに、それぞれの色が混ざり合った中間色など、花色が豊富で花つきがよく、花で覆われた樹冠がとても華やかです。これまでに700もの品種が作出されたといわれ、300品種が現存しているといわれています。庭園や公園、緑地などに広く使われ、最も一般的なツツジの一つです。海外でも人気が高く、アメリカやヨーロッパで、庭木用の花木として栽培されています。- 1
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