
「オ」から始まる植物

オオバショウマ
夏から秋にかけて、叢生する葉の間から細い花茎を伸ばし、細長い穂状に白い小さな花をたくさんつけます。花は萼や花弁は小さく早落性で目立ちませんが、たくさんの雄しべがよく目立ち、細長いボトルブラシのような独特な姿となり、人目を引きます。本州から九州の山地の落葉樹林内や草原などに生えます。名前は升麻と呼ばれるサラシナショウマと同じ仲間で花がよく似ていて、5~9裂した大きな葉が数枚低い位置に生え、ボリュームがありよく目立つことから、葉が大きい意味で名づけられました。
オオムラサキツツジ
江戸時代から名花として知られた紫色の一重の大きな花が特徴のツツジで、主に長崎県平戸市周辺で栽培されてきたヒラドツツジの品種群の一つと考えられています。花つきがよく樹冠を被うように咲く姿が豪華で華やかな印象を与えます。強健で厳しい都市環境にも耐えるので、庭園や公園・緑地、街路樹の植桝など広く使います。
オオモミジ
北海道から九州まで広く分布する日本固有のカエデです。紅葉の美しい代表的な樹木の一つで、個体により紅や黄色の紅葉が楽しめます。イロハモミジやヤマモミジと異なり、鋸歯と呼ばれる葉の縁の切れ込みが細かく均一なので、葉を見れば比較的容易に見分けられます。
オオヤマザクラ
ヤマザクラの自生しない、主に山地や関東以北の冷涼な地域などに多くみられるサクラで、花は一重の中輪で、直径3.2~4cmほどで、ヤマザクラに比べ葉や花が大きいことから名づけられました。北海道や東北地方には普通に見られることからエゾヤマザクラの、花の色が濃い紅色であることからベニヤマザクラの別名があります。秋田県の有名な樺細工に用いられるサクラの樹皮は、本種の樹皮を使います。冬芽の鱗片葉が粘る特徴があります。 (参考資料:新日本の桜 山と渓谷社)
オガタマノキ
関東地方以西の暖地の沿岸林に多く見られる常緑高木です。光沢のある濃い緑のやや大きい葉や、早春に咲く芳香の強い花が魅力です。一般的には神事に用いる樹木として、主に神社などに植えられてきました。公園や一般家庭には中国原産のカラタネオガタマ(トウオガタマ)を利用します。オキナワウラジロガシ
主に琉球諸島に自生する常緑広葉樹で、日本の固有種です。限られた島嶼地域に自生していることから、造園樹木として用いることはほとんどありません。本種の顕著な特徴は堅果(ドングリ)の大きさです。高さ直径共に2cmを優に超え、「とてつもなく大きい」と表現されるほどで、世界的に見ても大きなドングリの一つです。オクモミジハグマ
本州から九州北部の山地の山影や樹林下などの適湿地に生える落葉多年草です。3つの小花が集まって一つになった頭花の白く細い花弁が、渦を巻くように花開く独特の形が特徴です。『モミジハグマ』と同じ仲間で、より北に分布することから『オク(奥)』の文字が冠され、名づけられたといわれています。なお、『モミジハグマ』は、葉の形がモミジの葉に似ていて、花の形が僧侶が使うヤクの尾の毛で作った払子(ほっす)の飾りの『ハグマ(白熊:はぐま)』に似ていることから名づけられたものです。
オタフクナンテン
ナンテンの矮性種ですが樹高が高くならず実もつきません。艶のある葉が、特徴で晩秋から春にかけての赤い葉を観賞します。縁取りや面的な利用も可能です。葉にも樹形にも丸みがあり、とても丈夫で育てやすく和風・洋風どちらの庭にも合います。
オニグルミ
山地の渓流や河川の中流部などの湿った河原や河岸などでよく見られる落葉高木です。実(堅果)は堅く中に隙間があって大きさの割には軽いので、川に落ちると流されて下流域に分布を広げるため、川沿いに点々と分布するようすが見られます。種子は脂肪分に富み、古くから食用にしてきましたが、リスなどの小型の哺乳類の重要な餌としても知られています。材は優良で家具や建築などの材料として使われます。- 1
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