「オ」から始まる植物
オクモミジハグマ
本州から九州北部の山地の山影や樹林下などの適湿地に生える落葉多年草です。3つの小花が集まって一つになった頭花の白く細い花弁が、渦を巻くように花開く独特の形が特徴です。『モミジハグマ』と同じ仲間で、より北に分布することから『オク(奥)』の文字が冠され、名づけられたといわれています。なお、『モミジハグマ』は、葉の形がモミジの葉に似ていて、花の形が僧侶が使うヤクの尾の毛で作った払子(ほっす)の飾りの『ハグマ(白熊:はぐま)』に似ていることから名づけられたものです。
オタフクナンテン
ナンテンの矮性種ですが樹高が高くならず実もつきません。艶のある葉が、特徴で晩秋から春にかけての赤い葉を観賞します。縁取りや面的な利用も可能です。葉にも樹形にも丸みがあり、とても丈夫で育てやすく和風・洋風どちらの庭にも合います。
オトコヨウゾメ
日本固有種の落葉低木です。オトコヨウゾメという名前の由来は定かではありません。初夏に淡い紅色を帯びた白花をつけます。9〜11月に広卵形の実が赤く熟します。秋には葉も美しく紅葉するのが特徴です。黄色い実をつける、キミノオトコヨウゾメという仲間もあります。
オニグルミ
山地の渓流や河川の中流部などの湿った河原や河岸などでよく見られる落葉高木です。実(堅果)は堅く中に隙間があって大きさの割には軽いので、川に落ちると流されて下流域に分布を広げるため、川沿いに点々と分布するようすが見られます。種子は脂肪分に富み、古くから食用にしてきましたが、リスなどの小型の哺乳類の重要な餌としても知られています。材は優良で家具や建築などの材料として使われます。
オリーブ
ガーデニングのシンボルツリーなどに人気が高く、葉裏が白っぽく軽やかな印象の葉が魅力です。5~6月に黄白色の小花を穂状に咲かせて、かすかに甘い香りを漂わせます。果実を楽しむには1本でも実をつける品種を選ぶか、異なる品種を複数植えます。
オレガノ
ヨーロッパから西アジアにかけて分布する多年性のハーブで、全体にミントに似た爽やかな香りがあり、乾燥させると生葉の青臭さがなくなり深みのある芳香となります。イタリア料理のピッツァやトマト料理、肉料理などの風味づけの定番です。薬用として消化促進・発汗作用・殺菌などに効果があり、ハーブティとしてもよく飲用します。花はピンクや紅紫色で枝先にまとまってつき、刈り取ってポプリやドライフラワーなどにも利用します。
オンツツジ
紀伊半島や四国・九州などの低い山地の林縁や岩場などに生えます。葉がミツバツツジのように枝先に3枚輪生しますが、開花はやや遅く、葉が出る前かほぼ同時に開花する遅咲きのツツジで、明るい新緑の林間に朱色の彩りがよく目立ちます。生産はあまりありませんが、雑木植栽や庭園などの彩りに使います。- 1
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