
「イ」から始まる植物


イカリソウ
北海道の西南部以南の温帯や暖帯の樹林下などに生える落葉多年草です。花の形が船の錨の形に似ていることから名づけられました。花が変わった形で美しく、丈夫で育てやすいので、春の庭園の彩りや山野草として鉢植えなどに利用します。また、薬用植物としても知られ、漢方では茎葉を乾燥したものを淫羊藿と呼び、煎じて強壮薬として用います。
イギリスナラ
ヨーロッパや北アフリカなどに自生する落葉広葉樹でコナラの仲間です。葉はコナラとカシワとの中間的な葉形で、やや小型で細く、縁は波のように切れ込みます。新緑は明るい緑で後に深緑色に変わり、秋には黄褐色に黄葉します。欧米ではよく用いられ、国内でも黄色の葉色が美しい品種や枝が直立する独特な樹形の品種などが生産されており、公園や庭園、ガーデニングなどに利用します。
イソギク
伊豆諸島や伊豆半島が分布の中心で、千葉県から静岡県の海岸に自生します。花は筒状花のみで華やかさの面では劣りますが、地際から多くの茎が群がり立つので、群生させると一面黄色の独特な景観となります。多年草で丈夫なので、海浜公園や臨海部の自然公園、和風庭園などに利用します。
イチイガシ
関東南部以西に見られる常緑の高木です。深緑色の細めの葉が密に付くことから、高生垣など遮蔽、防風、防火効果が期待できます。
イチゴノキ
一見ヤマモモやホルトノキのように見える常緑高木で、一番の魅力は秋に枝先を飾るアセビの花に似た花穂と、黄色から赤く熟す実が同時に観賞できることです。実をイチゴに例えた名前ですが、どちらかいうとヤマモモの実に似ていて、ほんのり甘く食べられます。
イチョウ
中生代ジュラ紀に繁栄した樹木の生き残り(生きた化石)と言われています。古い時代に中国に留学した僧が持ち込んだといわれ、日本各地の寺社の境内などに銘木の存在が知られています。秋の黄葉が魅力で、晩秋の黄葉後に強い寒さに遭うと一気に落葉し、あたかも黄色い蝶が群れ飛ぶ姿を思わせ、都会の秋を演出する一番の見どころです。
イヌシデ
自然風の雑木植栽によく用いられる樹種の一つで、シロシデの名前で呼ばれて親しまれています。葉はやや大きく、秋には黄色く黄葉します。白い縦じまの入った幹や野性味のある樹形などが見所です。
イヌブナ
ブナに比べて材質が劣るため、役に立たないものの例えで使われる『いぬ』の文字をつけて呼ぶようになったといわれています。ブナに比べて葉が薄く、幹が黒みを帯びるなど、魅力にやや欠けるので造園樹木として用いることはあまりありません。落葉高木で大木になりますが、地際からひこばえが生えるので、株立ち状になる特性があります。
イヌマキ
日本庭園に利用される代表的な主木の一つで、マツの代わりに利用されることもあります。濃緑色の細い葉が密生し、耐潮性や耐風性が大きいことから、臨海部の防潮、防風植栽として生垣や高垣などに、また、比較的自由に刈り込んで仕立てられる特性を利用して、動物などの姿に仕立てるトピアリーなどにも利用します。秋に熟す実の果床は赤く熟し、甘く食べられます。- 1
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