フジ 長い花房を無数に垂れ下げた姿が、古くから愛されてきました。『万葉集』にはフジを詠んだ歌が27首あります。全国各地に古木や大木があり、観光名所にもなっています。花には白、ピンク、淡紫、紫などの種類があり、甘い香りを放ちます。観賞用として植えられてきましたが、かつてはつるを縄の代用にしたり、籠や椅子などに用いました。
フシグロセンノウ センノウの仲間で、葉のついた節が暗赤色を帯び黒く見えることから名づけられました。本州から九州の山影や樹林下の沢筋などのやや薄暗い日陰地に生え、夏から秋にかけて、朱赤色のやや大きい五弁花を茎の先端とその付近に疎らにつけます。朱赤色というほかの野草にあまり無い色で、薄暗い背景でよく目立ちます。庭園や山野草として鉢植えなどに利用します。
ブッドレア 小さな筒状の花が、穂状にたくさん集まって花開く姿がフジに似ていることから、フサフジウツギの別名があります。花は香りが高く、花の蜜が多いことから蝶を呼ぶ花木として知られ、英名ではバタフライブッシュと呼ばれて、ガーデニングの材料として親しまれています。欧米で人気があり、古くから品種改良がおこなわれて、花色の変化した多くの品種があり、開花期が長く6月ごろから10月ごろまで長く楽しめます。
ブナ 日本の山地(冷温帯)の落葉樹林に自生する樹木で、ミズナラなどとともに主要な構成種の一つです。秋の紅葉は黄褐色で、華やかさはありませんが落ち着いた色で趣があります。厳しい都市環境での利用は困難で、北海道南部以南や東北での利用に向いています。実は小さく、クリに似た3稜形で、渋みが無いので炒って食べられます。
フユグミ ナワシログミとマルバグミ(オオバグミ)の自然交雑種といわれています。自然交雑種のため個体数が少なく、見ることはもとより、生産もされていない可能性が高いので、利用は困難です。形質にばらつきが見られることが予想され、両者の中間的な形質を示すということ以外に情報が無いので詳細は不明です。
フヨウ 九州や沖縄などの暖地の海岸近くなどに自生するハイビスカスの仲間です。高さは1.5〜3mほどになり、夏の間、大輪の花を咲かせつづけ、人気があります。観賞用に古くから栽培され、日本以外でも中国や韓国の詩歌や絵画に多く登場します。また、茎の皮が丈夫なため、製紙に用いられたり、漁網やかごなどにも使われました。近年ではさらに花が大きく、花色の多いアメリカフヨウなども植えられるようになっています。
ブラシノキ オーストラリア原産で、明治の中頃に渡来しました。最大の特徴はボトルブラシのような花で、名前の由来にもなっています。観賞用として栽培され、さまざまな園芸品種があります。果実は1cmほどの球形で、中に細かな種子が詰まっています。果実は脱落せずに何年も残ります。原産地のオーストラリアでは、山火事などのさいに飛び散ると言われています。
プラタナス 高さ10m以上になる落葉高木で、街路樹として世界的に植えられています。スズカケノキとも呼ばれ、これは秋に垂れ下げるボール状の実を、山伏がの着る篠懸についている鈴掛にたとえたものです。日本には明治時代の初めに渡来し、東京の新宿御苑、小石川植物園に植えられました。一般的にプラタナスと呼ばれる植物は、スズカケノキ、モミジバスズカケノキ、アメリカスズカケノキの総称です。
ブルーベリー かわいい花を咲かせることや美しく紅葉することから庭木としても、家庭向きの小型果樹としても人気があります。野生種は北米からカナダに自生し、黒紫色の甘い果実は生食のほか、ジャムやお菓子などの材料として利用されてきました。
プルーン 西アジア、コーカサス地方原産の果樹で、ヨーロッパで広く栽培されてきました。果皮には白粉(ブルーム)がつき、遠目には白味がかった紫色に見えます。完熟した実は果肉と種子がはがれやすく、食べやすいのが特徴。生食のほか、ドライフルーツやシロップ漬けでも楽しめます。鉄分、食物繊維、ミネラルなどの栄養が豊富。春に咲く純白の花も美しく、家庭用果樹としても人気があります。