
「」から始まる植物


ミツバウツギ
丘陵から山地にかけての雑木林の沢沿いのやや湿った林内や林縁、藪などに多く見られる株立ち状の低木で、3mほどになります。花は初夏のころに枝先に白い小さな花を10花前後つけた短い花穂を伸ばします。名前は『三葉空木』で、3枚の葉をつけた3出複葉で、花がウツギの花に似ているから、あるいは、枝に穴が開いてい中空なことから空木(ウツギ)と呼ばれることなどから名づけられたといわれています。若い葉は食べられます。
ミツバツツジ
関東から近畿地方東部の太平洋側に分布する落葉性のツツジで、枝の先端に3枚の葉が輪生するようすから、『三つ葉のツツジ』の意味で名づけられました。花は紅紫色で本種のみ雄しべが5本という特徴があり、ほかのミツバツツジ類は雄しべが10本なので、容易に見分けられます。丘陵や山地のアカマツ林や雑木林などの林床に自生していて、芽出しの始まった淡い緑の景観に、紅紫色の絵の具を落としたような何とも言えない、明るい春の情景を演出します。雑木植栽のほか庭園、公園や緑地などの彩りとしてもよく使います。
ミツマタ
中国原産の落葉低木で、日本では和紙の原料を採るために栽培されてきました。紙幣の原料にもなっています。名前の通り、枝は三本に分かれ、晩秋には葉が落ちた後につぼみが垂れている姿が見られます。花は葉に先立って黄色の筒状花を咲かせます。花木として、公園や庭園などにもよく用いられます。花が紅色のベニバナミツマタなどの品種もあります。
ミヤマガンショウ
高さ20mほどになる常緑高木。ミヤマガンショウという名前は原産地中国の「深山含笑」を日本語読みしたものです。早春に芳香のある大きな白花を咲かせます。葉は革質で、表が濃い緑色、裏が白みがかった緑色で、一年を通して楽しめます。近年、植栽や家庭用の庭木として用いられるようになりました。
ミヤマシキミ ‘ルベラ’
ミヤマシキミの園芸品種で、海外で人気が高く、多くの改良品種が作られ、導入された一つです。秋から春の開花時期まで、赤くかわいい蕾が花穂状に多く集まった姿を楽しめますが、雌雄異株で、本種は雄株なので実はつきません。一般にはポット苗で流通していることが多く、花壇やガーデニングの冬の彩りとして寄せ植えや縁取りなどに利用します。
ムクゲ
ハイビスカスに似た花を6月から10月まで長く咲き続けます。花は一日花ですが、花色や花型が豊富で、新梢の葉腋によく目立つ大きな花をつけ、樹冠が花で覆われたような姿が一番の魅力です。剪定に耐え萌芽力も強いので、生垣や寄せ植えなどに利用しますが、単木に仕立てても美しい花姿が楽しめます。原産地は中国で、韓国では国民花となっています。
ムクノキ
里山の荒れ地や雑木林の林縁などに見られ、樹高20mほどになる落葉高木です。秋に黒紫色に熟す実は、甘く干し柿に似た味がします。名前は葉の裏がざらざらしていて、ものを磨くのに利用していたことから「磨くの木」の転訛したものと言われています。
ムクロジ
あめ色に熟した2~3cmほどの実が鈴なりになった姿や、秋のやや赤みを帯びた美しい黄葉などが魅力の落葉広葉樹です。果皮はサポニンを含み、水に浸けるとよく泡立つことから、昔から石鹸の代わりに洗濯や洗髪などに利用し、親しまれてきました。種子は黒く1㎝ほどの丸い形で、堅く、羽根つきの球や数珠に使います。歴史のある古い公園や、神社仏閣の境内や周囲の社寺林などに植えられていることが多く、自然分布は本州中部以西ですが、関東地方など、より北の地域でも見ることができます。