「」から始まる植物
サクラ‘兼六園菊桜’
金沢市の兼六園にあった桜で、原木は国の天然記念物でしたが1970年に枯死しました。現在見られる樹は、その樹から接ぎ木で増やした個体で、園内に植えられていますが、一般にも流通しています。花は葉が展開した後に開き、淡紅色の2段咲きで、花の中心部は色が濃く紅色になります。花弁の数が100~300枚の千重咲きです。慶応年間(1865~1868)に孝明天皇から前田家に下賜されたいわれ、そのため御所桜の名前もあります。サクラ‘御殿場桜’
静岡県の御殿場市永塚や印野で稀に栽培されていることからこの名前がつきました。御殿場農園の渡辺健治氏が発見し、流通するようになりました。マメザクラとほかのサクラ(種類は不明)との間に生まれた交雑種で、花は一重咲きの大輪で蕾は色が濃く、開花すると淡紅色となります。マメザクラの特性を受け継ぎ、小形で花つきが良く、挿し木で容易に増やせるので、庭園や建物周りの外構、ガーデニングなどのほか、盆栽や鉢植えとしても利用します。 (参考資料:『桜図鑑』公財日本花の会)サクラ‘小松乙女’
上野公園内の小松宮彰仁親王銅像の近くに原木があり、名前の由来となりました。中輪で淡紅色のかわいらしい花を咲かせます。一時、ソメイヨシノの片親ではないかという説がありましたが、現在では否定されています。サクラ‘枝垂富士桜’
一重や八重の花が混じって咲く枝垂性のサクラです。富士桜の名前がついていますが、富士桜(マメザクラの別名)の品種ではなく、エドヒガンまたはシダレザクラとマメザクラ系のサクラとの間に生まれた交雑種と推定されています。花は白花の中輪で枝は緩く垂れ、独特の樹形となります。 (参考資料:『桜図鑑』公財日本花の会)サクラ‘染井吉野’
サクラと言えば本種を指すように、北海道中部以北と沖縄を除く日本全国に広く植えられています。日本の春の景色を彩るサクラの代表です。エドヒガンとオオシマザクラとの間に生まれた種類です。葉の展開に先立って花開き、花つきが非常によいので華やかな風情が楽しめます。サクラの仲間では比較的寿命が短く、50年程度と言われています。サクラ‘都錦’
見る機会の少ないサクラの一つで、桜の図鑑などを開いてもほとんど掲載されていることはなく、珍しいサクラの一つといえます。かつて京都御所にあったといわれていますが、由来、来歴のよくわからないサクラで、大阪の造幣局の通り抜けに植栽されています。『このはなさくや図鑑』を見ると、サトザクラ系のようで花弁数は15~25枚程度で、八重咲きの大輪です。花の色は淡紅色ですが蕾は色が濃く、開花後も花弁の先にその色が残ります。 (参考資料:『このはなさくや図鑑~美しい日本の桜~第3集』-P90)サクラバハンノキ
落葉高木で、葉は葉脈が目立ち、サクラの葉に似ていることから名前がつきました。水湿地を好むことから水辺や地下水位の高い場所にやや稀に生えます。花は葉が芽吹く前の早春に細長い雄花穂が垂れ下がって開花し、雌花は小さく目立ちませんが秋に小さな松かさのような果穂となって熟します。ザクロ
ブドウとともに有史前から栽培されていたとされる最も古い果樹の一つとして知られ、初夏の花と秋に熟す実と黄葉が見どころです。花は周囲が緑一色の時期に開花し、朱赤色でよく目立つため『紅一点』の語源になりました。また果実は俗に人肉の味がするといわれ、人間の子を食べる鬼子母神を戒めて、仏陀がザクロの実を与えたという仏説からきています。なお利用は多彩で、実は生食するほかジュースや果実酒などに、樹皮や果皮、葉は薬や染料などに利用します。ただし、日本では果樹としての利用はあまり行われず、もっぱら多彩な花の変化を楽しむ花木(花ザクロ)として利用してきました。品種としては赤花や白花、樺色花などが基本で、それらに絞り咲きや咲き分けの品種があります。ほとんどの品種は、花弁のほか雄しべも花弁化した八重咲きの品種なので、実はつきません。庭木として利用するほか、盆栽用樹としても知られています。