
「ヒ」から始まる植物


ヒサカキ
本サカキとも呼ばれるサカキに比べ、花や葉が小さいことから姫サカキの意味から名前がついたといわれています。関東以西の暖地に多いサカキに代わって、関東ではヒサカキの枝葉を神事に使います。花は春に開き、ハマヒサカキ同様特有のにおいを発します。
ヒトツバタゴ
5~6月に細い白色の花弁の小花が樹冠を覆うように密についた姿が一番の魅力で、繊細な美しさがあります。名前は同じモクセイ科のトネリコに似ていて葉が単葉なので、一ッ葉のトネリコという意味ですが、珍しい樹で見る機会が少ないので名前がわからないことから、ナンジャモンジャノキとも呼ばれます。
ヒノキ
一般には、材を生産する林木としての利用が多く、樹高30mくらいになる常緑針葉樹です。材は緻密で耐久性に優れ、特有の香りと光沢があることなどから、高級な材木として有名です。造園では枝葉が密につくことから、景観樹として公園や庭園などに利用します。ヒマラヤザクラ
ネパールから中国西南部などの標高1300~2200mの丘陵地に生えるサクラで、寒さに弱いので東京以西の暖地向きです。花は一重の中輪で、直径3cmほどで、晩秋に葉が散る前頃から咲き始める珍しいサクラで、やや華やかさに欠けますが人目を引きます。種子繁殖のため花の色には白から濃紅まで個体差があります。近年の研究結果で、二酸化炭素や二酸化窒素を減らす効果がソメイヨシノの5倍もあるとして、注目を集めています。 (参考資料:新日本の桜 山と渓谷社)
ヒマラヤスギ
手を入れなくてもきれいに整った広円錐形の樹形になり、枝は水平か下垂するので、公園や緑地などの芝生広場のシンボルツリーなど広い空間での利用に向いていますが、萌芽・復元性があり、刈り込みもできるので、高生垣やいろいろな仕立物などにも利用できます。黄金色や銀青色と葉色の美しい品種もあり、記念樹としても利用できます。
ヒメシャラ
葉や枝ぶりなど樹姿全体に和の趣が感じられる木で、若葉のなかに咲かせる白い花も美しく秋には紅葉します。葉と花はナツツバキよりも少し小さめですが、樹高は高めに生長します。幹が赤褐色で、表皮が剥がれた跡がサルスベリの木のようなまだら模様になっています。木材としては床柱や彫刻に用いられ、花は茶花として重宝されています。
ヒメヒオウギズイセン
初夏から夏にかけて、朱赤色の花を花穂に次から次へとつけて長く楽しめます。明治の中期ごろ渡来し、花壇植物として利用されてきましたが、地下茎を長く伸ばして球根(球茎)をつくり、丈夫でよく増えるので逸出して雑草化することがあります。暖地では常緑ですが、強い降霜では葉が傷み、落葉扱いとなります。モントブレチアの名前でよく知られています。
ヒメユズリハ
ユズリハに比べ葉が小さく青みを帯び、葉が垂れないので、さわやかな雰囲気が楽しめることから人気があり、樹形も端正なので公園や庭園のシンボルツリーとして利用します。本来は海岸の常緑広葉樹林などの構成種であり、耐潮性が強く臨海部の植栽にも利用できる特性があります。