シャガ 常緑性の多年草で日陰の地被として優れています。淡い紫色の花が特徴的ですが、花のない時期も光沢のある細長い葉は地際を彩ります。花は一日花ですが次々と花を咲かせます。生育は旺盛でランナーを出して増えていきます。夏の乾燥や直射光、冬の乾寒風で葉が傷むので上場所には注意が必要です。古くに中国より渡来し日本全国に広がりました。
シャクナゲ 欧米でヒマラヤや中国などの野生シャクナゲを基に育成されたセイヨウシャクナゲに対し、日本に自生する野生種を基に育成された園芸シャクナゲの総称です。花はピンクや白花が多く華やかさの面ではやや劣りますが、端正な花型や花穂が美しく環境耐性があるので、野生種がうまく育たない暖地などで利用すると効果的です。
シャシャンボ 常緑の小型の中木で、一見アセビのような樹姿で、放任するとこんもりと茂ります。秋に熟す実は黒紫色で、アントシアニンの含有量はブルーベリーよりも多く、生食もできますがやや硬く、どちらかというと果実酒向きです。小さな実が鈴なりになった姿を『小さい坊や』に例え、『小小ん坊』と呼んだものが転訛して名前になったといわれています。
シャリンバイ 暖地の海岸に自生し耐潮性や耐乾性が強く、厳しい都市環境にあっても良好に生育することから、公園・緑地や和風庭園などの刈り込みによく用います。春に白い小花がやや細長い花穂に集まって咲き、芳香があります。花がウメの花に似ていて枝が輪生し、車輪に似ていることから名前がついたといわれています。立性の本種のほか、樹高のあまり高くならない這性のマルバシャリンバイ、ピンク色の花が美しいベニバナシャリンバイ(複数の品種あり)などが知られています。
シュウメイギク 一見、コスモスを思わせるような花型が魅力の秋咲き高性の宿根草です。中国原産で古い時代に渡来したと考えられており、京都の貴船地方で野生化し、貴船菊の名前で知られています。貴船菊と呼ばれる種類は花弁のように見える萼片が20~30枚ほどある桃色の八重咲きの品種ですが、近年は白花や一重咲きの品種も栽培されるようになって、ガーデニングなど和洋を問わず利用範囲が広がっています。
シュロ ヤシ類の中では最も耐寒性に優れた種類で、自然分布は九州以西といわれていますが、野鳥が種子を運んで芽生えるので、関東以南の暖地の都市林などで比較的良く見られます。まっすぐ伸びた幹の先端に掌状の大きな葉が集まってつき、ヤシの仲間特有の独特な樹形となるので、建物周りやトロピカルな雰囲気の醸成などに利用します。
シラカシ 関東地方の屋敷林の主要構成樹種の一つとして知られ、細めの葉が密につくことから、防風、防塵、防火の役割を果しつつ敷地内の乾燥も防ぐので、古くから使われてきました。常緑の葉は細長く低い鋸歯がまばらにあります。名前は材が白い事に由来しますが、樹皮が黒いことからクロカシとも言われます。ドングリ(堅果)は1.5~1.8cmほどの卵形で、その年の秋に成熟します。
シラユキゲシ ケシの花に似ていて、雪のように白い純白の花の姿から名づけられました。中国東部原産の落葉性の多年草で、春に花をつけ、花の中央につく黄色い雄花がアクセントとなって美しく、鉢植えや庭園などに利用し人気があります。
シラン 名前は赤紫の花をつけることから、『紫色の花のラン』の意味で名づけられました。一般には栽培株が流通していますが、野生種は環境省RDBでは準絶滅危惧種に指定されています。ランの仲間は栽培が難しいことで知られていますが、本種は丈夫で、一度植えるとよく増え管理に手間がかからず、グラウンドカバーとして優れ、花つきがよく美しいので、育てやすい草花といった雰囲気が魅力です。
シリブカガシ マテバシイの仲間で、9月ごろ葉腋から伸びた果序に、マテバシイに比べて小さめの砲弾型のドングリが並んでつき、同時期に花が開花するという変わった性質が特徴です。名前はドングリの底がへこんでいることから『尻深ガシ』という意味で名づけられました。マテバシイのように公共緑化や庭園などに利用されることはほとんど無く、建築材、器具材、薪炭材などに使われます。