カイヅカイブキ イブキの園芸品種で、側枝が螺旋状に伸びる火焔型の樹形が美しく、厳しい都市環境にも耐えて良く生育するので、針葉樹としては最も広く植栽されている樹種の一つです。潮風に強いので臨海部での利用や、枝葉が密生して遮蔽効果が極めて高く、萌芽・復元性に富むので、生垣や遮蔽植栽、仕立物などといろいろな場面で利用できます。
カエデ‘紅枝垂’ 春から初夏前まで葉が赤紫色になるのが特徴です。葉は細く、切れ込み、夏になると緑色になり、秋にはまた紅葉が楽しめます。同じく枝垂れ系のカエデで、新葉の緑が明るい‘青枝垂’とともに、和風庭園の定番品種になっています。
カキ(カキノキ) 秋の里山を彩る代表的な果樹の一つで、日本の里山風景に最もよく似合います。奈良時代に中国から渡来したといわれ、中国より渡来した柿は渋柿で、現在食べている甘柿は、鎌倉時代に日本で出現したものといわれています。果実以外にも利用が多く、材は堅く緻密で、家具や器具材として、渋柿からは柿渋が採取され、葉は秋に美しく紅葉します。
カクレミノ 日陰に強い数少ない樹木の一つです。建物の北側や中庭など日照条件の悪い場所でもよく生育します。一般には、和風建築の前庭や坪庭などに、2m程度の株立ち物がよく利用され人気があります。名前は葉の形を、着ると身を隠すことのできる蓑に例えて名づけられました。
カシワ 5月の節句につきものの柏餅の葉としてよく知られ、枝が太く粗いので、樹冠の広いずんぐりした樹形となります。移植はやや難しく苗木の生産はあまり多くはありません。葉はカシの中では幅広で大きく、深い波状の鋸歯が特徴です。秋に赤く紅葉しますが冬の間は落葉せず、春の萌芽時に落葉します。耐寒性や耐潮性が強く、東北や北海道の海岸の緑化によく利用されます。ドングリ(堅果)は1.5~2cmほどの卵球形で、その年の秋に成熟します。
カシワバアジサイ 北アメリカの南東部原産で、葉は深く裂け、カシワの葉に似ていることから名づけられました。花穂は白花の円錐形(ピラミッド型)のガク咲きで、大きく立派で、開花期が長いうえに花後も赤みを帯び、長く残って楽しめるため人気があります。八重咲やテマリ咲きの品種など多くの品種が導入されています。
カスミザクラ 新潟県以北の主に東北地方の日本海側の山野に多く見られ、花柄や葉柄に毛が多いことから、かつてはケヤマザクラと呼ばれ、ヤマザクラの変種として扱われてきました。花はヤマザクラの花が散ったあとに、葉と同時か展開した後に、純白やわずかにピンクを帯びた花を開き、華やかさには欠けますが、緑一色の中に白い花を開くことから清楚な雰囲気があります。直径は2~3㎝ほどです。
カタクリ 冷涼な山野の落葉樹林の林床などに群生する球根植物です。早春に美しい花をつけ短い春を謳歌し、ほかの植物が葉を茂らせる頃には地上から姿を消すスプリング・エフェメラル(春植物)と呼ばれます。地際に2枚の葉をつけ、その間から花茎を伸ばし、強く反り返った6弁の花被片からなる花を下向きにつけた姿から、傾いたかご状の花という意味でカタコユリと呼ばれ、それから変化してこの名前となったといわれています。かつては球根(鱗茎)からでんぷん(片栗粉)をとって食べ、山菜としても知られています。
カツラ 春の新緑と秋の黄葉で渓谷や河畔の森を美しく彩る樹木の一つです。生長は早く大きくなり、30mを超える場合もあります。葉は丸形~ハート形でたくさん茂り、香木としても知られ、落葉期の葉が独特の甘い香りを発し、抹香の材料となります。材は建築などに用いられます。