
「マ」から始まる植物


マロニエ
高さ20〜30mほどになる落葉高木。初夏、枝先に10〜15cmほどの円錐花序を多数つけ、蜜源になります。原産地はバルカン半島の狭い地域ですが、1500年代にヨーロッパに渡来すると、薬用目的で広く植えられるようになりました。その後は、街路樹や公園樹として多く用いられるようになり、パリのシャンゼリゼ通りの並木はよく知られています。世界の温帯でも広く植えられ、日本では小石川植物園や新宿御苑のものが知られます。
マンサク
名前はまず咲く(一番最初に咲く)の意味からともいわれ、雑木植栽などに混植し、冬枯れの中に花咲く、春一番の野性味のある姿を観賞します。花は小さく華やかさに欠けますが、身近で見ると4本の細長い黄色の花弁がよじれるように開き、まるで細工物を見るようで自然の造形美に感動します。
マンリョウ
晩秋から冬の間、6〜8mmの赤い実を長く保つのが一番の特徴です。名前の万両(まんりょう)は、千両(センリョウ科)より実が美しいからついたとされます。実は野鳥の餌になります。夏には枝先に白い小花をつけ、葉は光沢が濃緑色です。縁起木として、正月の飾りなどに用いられ、江戸時代には園芸植物として流行しました。明治時代の『硃砂根銘鑑』には53品種が掲載されています。また、白い実をつけるシロミノマンリョウ(Ardisia crenata Sims f. leucocarpa)もあります。- 1
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