アキニレ ケヤキを小さくしたような端正な樹形で、小さいながらも広がりを感じさせる姿が魅力です。葉は小さく、明るい緑陰をつくるので、小公園の広場などでの利用に最適で、秋には黄・紅葉します。材が堅いことでも知られ、車輪や細工物などに利用します。名前は、春に花や実をつけるハルニレ(春楡)に対し、初秋の9月ごろに花をつけ10~11月ごろに実が熟すことから『秋のニレ』の意味です。
アキノキリンソウ 日本全国の山野に普通に見られる小型の多年草です。日当たりのよい草原や明るい落葉樹林の林床などに生え、名前に秋の名が冠されているように日本の秋を彩る代表的な草本です。帰化植物で花粉症の原因となることで嫌われている北アメリカ原産のセイタカアワダチソウと同じ仲間です。初夏に咲くベンケイソウ科のキリンソウの花に似ていて、秋に咲くことから名づけられました。
アジサイ ガクアジサイの両性花がすべて装飾花に変化した品種で、花穂は丸い半球形から球形で『テマリ咲き』と呼ばれる花型です。花弁のように見えるものは萼が変化したものです。花は白から淡い青、紫、赤紫、赤と多彩で、土壌Hpや開花初期から満開にかけて色が変化することから、七変化と呼ばれることもあります。
アジュガ (セイヨウキランソウ) 春の紫色の花と低く地面を被う姿がポイントです。花は4月~5月で直立した花茎の周りに小さな花をたくさん咲かせます。花が終わるころに地際から茎を伸ばして地面を被います。ヨーロッパから導入されたことからセイヨウジュウニヒトエやセイヨウキランソウなどと呼ばれることがあります。
アセビ 早春にスズランのような壺型のかわいい花を枝先に房状につけ、樹冠いっぱい吊り下げた姿はとても美しく昔から親しまれてきました。近年は海外から花や新葉が赤く美しい品種が導入されて、華やかな造園材料として注目されています。有毒植物として知られ、馬がこの葉を食べると酔ったようになることから『馬酔木』の漢字があてられています。
アップルミント パイナップルとリンゴを合わせたような甘く爽やかな香りが特徴で、ミントの仲間では最高の風味を持つといわれています。ソースやビネガー、デザートやお菓子などの香りづけに用いるほか、葉を砂糖漬けに利用します。
アブラギリ 古い時代に中国から渡来した落葉広葉樹で、桐に似ていて種子から油を搾って利用したことから名づけら、かつては広く栽培しました。搾った油は『桐油』と呼ばれ、乾性油として優れていたことから、古くは和傘や提灯に塗ったり、印刷用インキやペンキ、ニス、油紙などに利用しました。栽培は途絶えましたが、近年文化財修復用の材料として『桐油』が見直され、改めて国産化の流れが起きています。なお、油は有毒のため食用にはできません。
アブラチャン 樹木全体に油分が多いことが名の由来。3~4月雌雄異株の淡黄色の花が3~5個集まってつく散形花序を付けます。秋にはクスノキ科特有の芳香のする、直径1.5cmの球形の果実がなります。同時期の黄葉も楽しめます。アブラチャンは漢字で「油瀝青」と書きます。瀝青(チャン)は船具などの防腐塗料のことを言います。
アベマキ クヌギと見分けがつかないほどよく似た樹種で、違いは葉裏に灰白色の星状毛が密生していることや樹皮がコルク質なことです。コルク層が発達した樹皮はコルクガシの代わりにコルクとして利用します。分布は山形県以西ですが、関東では比較的珍しく、西日本の雑木林の代表的な樹種です。秋には紅葉します。材はシイタケのほだ木や薪炭材として利用します。ドングリ(堅果)は1.8㎝ほどの球形で、その年の秋に成熟します。
アベリア 花期の長さが一番の魅力で、白色の小花が枝先につき、5月ごろから11月ごろまで楽しめます。葉は光沢があり常緑とされていますが、寒い地方では落葉します。萌芽力が強く刈り込みに耐え、大気汚染にも強いので、厳しい都市環境にあっても良好に生育することから、公園・緑地をはじめ、工場緑化、街路桝の植つぶしなど広範な利用ができます。葉に斑の入った美しい、バラエティー豊かな品種があります。